文章を書くのが苦手な人は、こんな悩みがありませんか?

・どんなことから書き始めればいいかわからない。
・書くことがない。何を書いていいかわからない。
・何を言いたいのか自分でもよくわからない文になってしまう。
・言いたいことをどう表現していいかわからない。
この記事では、文章を書き始めるときのヒントが得られます。
この記事で、あなたの思いを伝えるお手伝いができれば嬉しいです。
・自分の気持ちを伝える文章を書くための3つの手順
・書きたい自分の気持ちをはっきりさせる方法
・気持ちを伝える文章の例文
目次
手順① 何を誰に伝えたい?最初に文章の「目的」を考えよう!

文章とは、「人に何かを伝える」ものです。
文章を書くには、実は「何のために何を伝えるのかを明確にする」という下準備が必要です。
それをしないでいきなり文章を書き始めると、自分でも何が言いたいかわからなくなってしまいます。
従って、ここでは、下準備について考えてみましょう。
あなたが書こうとしている文章は、

① 気持ちをわかってもらうのが目的の文章
② 連絡や説明を正確に伝えるのが目的の文章
③ ①と②の両方を目的とする文章
のうちどれなのでしょうか?
この記事では、①「気持ちをわかってもらうのが目的の文章」について述べていきます。
手順② あなたの気持ちを伝えるために、その気持ちになった理由を考えよう!

雨が降ったら、あなたはどんな気持ちになりますか?
憂鬱になる人もいれば、楽しくなる人、嬉しくなる人もいます。
雨に対して抱く感情は人それぞれ。
その違いはなぜ生まれるのでしょうか?
雨という同じ事柄を経験しても、バラバラの気持ちが生まれるには、それぞれの事情が関係しているからです。
雨が降った時だけ通学電車に憧れの大学生が乗ってくるから、その人の顔が見れる!という女子高生は、雨が降ったら嬉しくなるかもしれません。
ここで「しれません」と書いたのは、嬉しくならない人や嬉しくないときもあるからです。
たとえば、その人がこの前彼女らしき人と一緒に電車に乗り込んできたのを見てしまったとか。
水不足でビジネスを展開しようとしている人や、引っ越しを渋る夫に水不足を理由に引っ越しを提案しようとしている人などは、雨が降るとガッカリするかもしれません。
人がある気持ちになるには、必ず理由があります。
その理由を説明しないと、自分の気持ちは相手に伝わりません。

自分の気持ちを文に書こうとすれば、そういう気持ちになった理由を順を追って説明するといい文章になります。
書きたい気持ちをはっきりさせる方法①「裏返し」て考えてみよう!
あなたが結婚式のスピーチを書くことになったとします。
何を書きたいですか?
あなたのどんな気持ちを結婚式の時に伝えたいですか?
自分の気持ちを表現しようにも、自分の気持ちやそういう気持ちになる理由をはっきり自覚できないこともあります。
同級生の新郎におめでとうの気持ちを伝えたい。
それはわかるのですが、そもそもなぜ自分は祝福したいのかが言葉にできない…

そういう時は、「裏返し」を使います。
「裏返し」は、国語の「読み」の時に使うスキルであり、着眼点です。
書かれていることを裏返して把握するのです。
「こんなに辛い目にあったら、生きていられない。」を裏返すと、「辛い目にあったけれど、今は生きている」ということです。
「多くの日本人は知らないこと」を裏返すと、「少数の日本人は知っている、知っているのが珍しいこと」です。
裏返すことにより、着眼点が変わってきます。
書きたい気持ちをはっきりさせる方法②:「地引網式思考」
文章を書くときには、自分の気持ちから出発して、次のように考える方法もあります。
なぜ祝いたい気持ちなのか?
祝いたくないのは、嫌いな人。
仲が悪ければ祝いたくないし、
大切じゃないなら祝わない。
そうか、大切な仲間だから祝いたいんだ。
という具合。
今回の例は単純なものですが、「なんかモヤモヤする」といった複雑な気持ちを整理するときにも使えます。
そして、「地引網」的に少しずつ自分の気持ちを手繰り寄せていきます。
あいつは大切な仲間だった。
高校時代に同じラグビー部で頑張った仲間だった。
同じポジションを争ったライバルだった。
ライバルだけど、なんか気があって、いつも練習は真剣勝負だった。
その練習のお陰で、自分の実力も上がり、ラグビーで大学に推薦で合格した。
その大学で、妻と出会った。
その大学の先輩の影響で、今の会社にも就職できた。
そうだ!俺は、あいつに感謝していて、幸せになって欲しいんだ!!
キーワードが網のようにつながり、少しずつ考えを手繰り寄せていくので、「地引網的思考法」と名づけています。

「裏返し」て、「地引網的思考法」で自分の気持ちを手繰り寄せてみましょう!
手順③ 伝わりやすいように、あなたの気持ちを整理して並べよう!
文章によって伝えたい自分の気持ちがわかったら、その気持ちになった経緯も一緒に並べて書きましょう。
多くは、時間軸で並べていくのが1番わかりやすいと思います。
以下に、結婚式の友人代表スピーチを例として書いてみます。
今回は、
伝えたい気持ち=感謝している、恩返ししたい
という設定で書いてみます。
最近の結婚式はカジュアルなものが多いので、少し古臭いかもしれませんが(^-^;
真面目でしっとりとした雰囲気の内容にしてみました。
5分~5分30秒ぐらいです。
この文の内容やエピソードを変えれば、結婚式以外でも、女性でなくても使えるひな形です。
例文:結婚式で新婦に感謝と恩返しの気持ちを伝えたい

(最初のあいさつ)
〇〇家、〇〇家の皆様、本日は本当におめでとうございます。
私は〇〇さんの高校時代の友人の□□と申します。
僭越ではございますが、〇〇さんの友人として一言お祝いを申し上げます。
(今の気持ち)
〇〇ちゃん、今日は本当に綺麗だね。あなたが今どれくらい幸せかは、あなたのその輝くばかりの笑顔を見ていればわかります。本当に嬉しいです。
(〇〇ちゃんについて)
高校時代、いつも一緒にいたね。あなたはとても優しくて、人のことを第一に考えてばかりいました。
(〇〇ちゃんとの共通の過去の出来事)
覚えていますか、私が高校3年生の秋に交通事故に遭い、入院したことがありました。大学受験を控え、1ヶ月間授業に出られなかった私は、本当に不安でした。そんな私に〇〇ちゃんはずっと寄り添ってくれました。授業のノートを届けてくれたり、学校の様子を教えてくれたり、2人の思い出のお菓子をわざわざ買ってきてくれたりしました。自分も受験勉強の時間が少しでも欲しかっただろうに、一生懸命、不安に沈む私を笑顔にしようとしてくれました。
(〇〇ちゃんへの気持ち=感謝)
あなたのおかげで、私は一緒に勉強を頑張れたし、退院後、学校にすぐに馴染むことができました。そして無事、志望校に合格することができました。〇〇ちゃんには感謝してもしきれません。あの時の辛い時期を乗り越えることができたのは、本当に〇〇ちゃんのおかげです。ありがとう。
(〇〇ちゃんへの気持ち=恩返しをしたい)
そんなあなたとは別々の大学に進み、連絡は取り合っていたけれど、実際に会う機会は減りました。お互いの近況を伝え合う中で、あなたがホームシックになった時、大学の研究で悩んでいた時、就活で疲れていた時、私は励ますことしかできなかった。あなたが私の入院中にしてくれたように、あなたの元へ飛んでいき、あなたを支えたかったけれど、東京と北海道ではあまりにも遠く、できなかった。ごめんね、もっと力になれればよかったのに。
あなたが△△さんと出会ってから、あなたは私に△△さんのことをよく話してくれました。△△さんに初めて会わせてもらった時、あなたの顔が穏やかで幸せそうで、きっと〇〇ちゃんは〇〇ちゃんらしく自然体で幸せになれると確信しました。本当に嬉しかった。
新たな人生を△△さんと歩み出そうとしているあなたに、私ができることはなんだろうと考えました。そして、いつも私のことを考えてくれた〇〇ちゃんのために私ができることを、今日ここでしたいと思います。
△△さん。あなたの横にいる〇〇ちゃんは誰よりも優しく、最高の女性です。きっと長い人生の中で、〇〇ちゃんは自分を犠牲にしてあなたを支える時があると思います。それは夫婦である以上、あり得ることだと思います。でも、それを当たり前と思わず、〇〇ちゃんの献身に気づいてあげてください。そのことに感謝し、△△さんも〇〇ちゃんを支えてあげてください。彼女はとても強いけれど、一人では心が折れてしまうかもしれません。あなたの優しい愛情と思いやりが必要です。どうかお願いです。私の親友を幸せにしてください。〇〇ちゃんのために私ができることは、あなたに〇〇ちゃんのことを誠心誠意お願いすることだと思いました。だから、もう一度、心を込めてお願いします。どうか、〇〇ちゃんの気持ちに寄り添い、支えてあげて下さい。そして2人で幸せになって下さい。△△さんと〇〇ちゃんが出会って、本当に良かった。
〇〇ちゃん、今までありがとう。これからもずっと友達でいてね。年を取っても仲良く近況報告をし合おうね。体を大切に、2人で頑張ってね。
(〆の挨拶)
本日は本当におめでとうございます。お二人の末永い幸せとご両家の繁栄をお祈りしております。ありがとうございました。
でも、結局は、真心を込めればOK!
事実を正確に伝えるというよりも、気持ちを伝えることが目的の文章では、文章の上手い下手は二の次です。
大切なのは、どれだけ「真心がこもっているか」です。
自分の気持ちにしっかりと向き合い、伝えたい思いを明確にすれば、文章の70%は出来上がったようなものです。
文章に対する苦手意識は持たなくて大丈夫です。

相手に気持ちを分かりやすく伝えることを第一に考えましょう!
ただ、スピーチなどの場合、場の雰囲気や自分の持ち時間を考えることをお忘れなく。

場の雰囲気の合わない話をしたり、長くしゃべり過ぎたりしたら、周りが困ってしまいます…
まとめ

伝える気持ちを明確にしよう。
気持ちは理由も一緒に伝えよう。
その気持ちになった経緯を時系列などで整理しよう。