文章を読もうと思ったら、目の前に立ちはだかる富士山よりも高い山

漢字!!!
漢字が苦手だと苦しいですよね…
でも、日本に住んでいる以上、進学・就職・日常生活において漢字からは逃れられません。

漢字がわからないと、語彙力も伸びない…
でも今更どう勉強していいかわからない…
そんな悩みを抱えている皆さんに、この記事では次の3点について説明します。
・漢字が得意な生徒の特徴3選
・効果的な漢字学習法8選
・効果的でない漢字勉強法ワースト3
目次
真似してみよう!漢字が得意な生徒の特徴3選

漢字テストでは丸だらけ、作文でも誤字が少ない。
そんな漢字力が安定している生徒には、次のような共通した特徴があります。

①素直
②自分の字をよく見て書いている
③本をよく読む
そもそも、勉強で最強の才能は、素直さです。
小学校で1026字、中学校で1110字の漢字を習います。義務教育だけで2136字です。
漢字は、「こういうもの!」と決まりきったもので、よっぽど興味を持たない限り、漢字の書き取りは楽しくありませんね。
「漢字ドリルは宿題です」と言われてなんとかさぼろうと努力するのではなく、素直に取り組める生徒でなければ、退屈な漢字学習は続けられません。
学習はマネから入るものですから、素直さは学習の第一歩として最強の資質です。
字が汚い生徒は、自分の字でも読むことができないくらい書き殴ります。
ノートを埋めることだけが目標になっていて、漢字の形を見ようという意識がないのだと思います。
字は目で見て覚えるものです。
自分の字をきちんと見ながら書く子は字がきれいで、漢字をよく覚えます。
学習では、見る力が結構大切です。
本を読むと、文字に親しみやすくなり、漢字に対する抵抗感が減ります。
また、作者の癖で、繰り返し同じ言葉が出てくることが多いので、たくさんの作家の本を読むほど、言葉のレパートリーが増えます。
本は言葉を増やす最強のツールです。
おすすめ!効果的な漢字学習法8選

漢字力をアップするために効果的な学習方法を8個挙げます。
①部首で覚える
漢字の学習の基本ですね。
次に挙げる表は、漢字テストなどで生徒が間違えることが多い部首です。
似た意味や似た形を上下左右に配置するようにしていますので、上下左右を関連付けながら覚えてみて下さい。

「オウフクする」の「オウ」の漢字を「住」か「往」で迷ったとします。「オウフクする」のは、行ったり来たりすることですから、ぎょうにんべんだという見当がつけられます。
「コシが痛い」の「コシ」は、体の一部ですから、にくづきが付くことはわかります。
「かい」がお金を指すのは、貝は昔貨幣として使われていたから。
「こざとへん」は、左へ90度回転する、丘のような形になります。
「こざとへん」が右に移動すると、丘が村になります。
「ころもへん」は、「衣」の字が変化したものです。
部首の意味が全ての漢字に当てはまる訳ではありませんが、迷った時の判断基準にはなりますので、覚えておくと便利ですよ。
②漢語辞書で字義を調べる

漢語辞書を引くと、1番最後の辺りに漢字の成り立ちの説明が書かれています。
例えば「糀」という漢字。
「米」と「花」が合体した文字で、米に「花」のようにカビ(麹菌)が生える様子を表した国字です。
中国で作られた文字を「漢字」というのに対し、日本で作られた文字を「国字」と言います。「峠」や「凪」、「噺」なども国字です。国字は日本の文化を反映しているからか、理解しやすいですね。
漢字の「象」は、ゾウさん🦣の形を模った「象形文字」。
また、「上」は、基準となる横線の上に短い横線で印を付け、「上の方」を指す「指示文字」。
町は、「田」と「丁」が合体した「形声文字」。
少し難しい学習方法ですが、漢文を勉強する高校生は、漢語辞書で字義を調べると漢文の力が付くのでおすすめです。
漢語辞書の調べ方は、「部首で調べる」・「画数で調べる」・「読みで調べる」という方法があります。自分が1番調べ易い方法を使うといいでしょう。
私は、電子辞書推奨派です。
CASIOの高校生用電子辞書などは、漢語辞書だけでなく、国語辞書、古語辞書、英英辞書、英和辞書、和英辞書、地歴公民・理科の用語集など、たくさんの辞書が入っている上に、複数辞書検索や手書き検索などができて使いやすく、辞書を引くのが苦になりません。
スマホで調べるより詳しくわかります。また、スマホを使って学習しようとしてもSNSを見てしまうというようにスマホの誘惑に負ける人は、電子辞書をお勧めします。
③音で覚える

②で出てきた「形声文字」は、漢字を意味を表す部分と音を表す部分に分けることができます。
「町」は、「田」と「丁」に分かれ、「田」は「区分け」や「あぜ道」という意味を表し、「丁」は「チョウ」という音(音読み)を表しています。
「網」という文字の音読みがわからなかったら、「罔」に注目すると、「亡」という漢字が入っています。「亡者(もうじゃ)」という読み方を知っていれば、「もう」と読むことが推測できます。
日本で使われている85%くらいの漢字が形声文字だと言われていますので、音に注目して漢字を覚えるのは有効な学習法です。
④人の名前で覚える

友達の名前、芸能人やスポーツ選手、学校の先生の名前などに使われている文字は、良い意味を持っているものが多いです。
好きな人の名前の漢字を調べるのなら苦になりませんよね(^-^)
また、記憶に残り易いです。
ぜひ、人の名前の漢字を調べてみて下さい。
⑤人に教える&人前で書く

人に教えるということは、自分が理解しておかなければできません。
また、人に教える以上、人の知識に教える自分が責任を持たないといけません。
学習の定着度を表す「ラーニングピラミッド」によると、
学習方法別に半年後の定着度を調べたら

講義5%、読書10%、視聴覚20%、デモンストレー ション30%、グループ討論50%、体験75%、人に教える90%
という結果になるそうです。
つまり、講義で一方的な説明を聞いて学んだ場合は、半年後には95%忘れて5%の内容しか覚えていないのに対し、自分が人に教えた場合は、10%しか忘れずに90%覚えているということです。
このラーニングピラミッドは、数値の信憑性などが議論されるところではありますが、経験的に納得できます。
教えようと思ったら、教える人は、まず自分の頭の中で情報をしっかり整理します。
その後、人に教えるという責任と集中と工夫が必要な体験を通し、自分の中に情報が強烈に定着します。
90%残るかは置いておいて、非常に忘れにくい体験になるのは事実です。
特に、黒板に書くなど、たくさんの人が見ている環境で教えると、非常に緊張して集中するので、漢字の形状も強烈に覚えることができます。
ぜひ、人前で漢字を書いて、その漢字について説明をしてみて下さい。
とっても忘れにくいです!
⑥漢字を分解してみる

「親」→親は木の上に立って見る
「疑」→ ヒ矢マ定 (ヒヤマテイ=ヒヤマさんの邸宅)
「挨拶」→てへんに ム矢三タ(むやみだ)
「鬱」→木缶木ワ必、箱ヒ三
などなど。
自分で分解して、語呂合わせを作ってみると忘れにくいです。
⑦漢字を絵にしてみる

どうしても覚えられない漢字を絵にしてみてはどうでしょうか?
蛇蔵&海野凪子著『日本人の知らない日本語』では、どうしても漢字を覚えられない外国人女性が、「気」という漢字の「メ」をハートにしたり、「きがまえ」の右側をくるくる巻いたりして、アートにしていました。
森鷗外の写真に落書きをする感覚で、漢字をいじってみると覚えられるかもしれません。
⑧YouTubeを見る

ちょっと前までは娯楽的な側面が強かったYouTubeですが、今は学習や悩み解決の手段として使用されることが増えました。
漢字学習も例外ではなく、YouTubeで「漢字」と検索すると、さまざまな動画が出てきます。
その中から、自分が気にいるチャンネルを見つけて学習するのも良いでしょう。
私自身も感じではありませんが、YouTubeで学習し、そこをきっかけに自分で調べたり、新しいヒントをもらうことがたくさんあります。
デジタルコンテンツを有効活用していきましょう!
今すぐ変えよう!効果的でない漢字勉強法ワースト3
ひたすら書く
漢字学習は何回書くという回数は関係ありません。回数は少なくても、漢字や熟語の意味を調べて1画ずつ丁寧に、じっくりと形を見ながら書くことが効果的です。

逆に言えば、意味も知らずにささっと書くという漢字の書き取りは全く意味がありません。
手の運動が目的ならいいんですけど。
語句の意味を知らずに書き取りだけする
アルファベットは表音文字で、Aとかbとか1字ずつに意味はありません。
それに対して、漢字は「表意文字」です。1文字ずつに意味があります。
意味を知らずに書いても、その文字は単なる謎の記号です。
円周率に語呂合わせで意味を持たせたらたくさんの桁を覚えられるのと同じです。
漢字が苦手な人は、この漢字の命「意味」から逃げてしまっているかもしれません。
一度にたくさん覚えようとする、問題集は1回きりしかしない
漢字は少しずつ覚えていかないと、頭に残りません。

漢字が苦手だから、1日に50個覚えよう!
と思っても無理です。
毎日自分が覚えられそうな数を考え、コツコツと一つの問題集を何周もしましょう。
まとめ

漢字が得意な生徒の特徴3選
①素直
②自分の字をよく見て書いている
③本をよく読む

漢字勉強法8選
①部首で覚える
②漢語辞書で字義を覚える
③音で覚える
④人の名前で覚える
⑤人に教える&人前で書く
⑥漢字を分解してみる
⑦漢字を絵にしてみる
⑧ユーチューブを見る
漢字学習に王道なし!
学習に一撃必殺のチャンスはなし!
ですので、コツコツと積み重ねていきましょう。
それが結果として1番早い漢字学習方法です。
おまけ
面白い本を買いました。
『漢字の使い分け図鑑』という本です。
漢字をきちんと勉強しても、ふと使い分けがわからなく漢字がありますよね。

「もと」は、元? 下? 本? 基?
「はかる」は、図る? 測る? 量る? 計る?
このように使い分けが難しい漢字ばかりを集め、楽しいイラストと一緒にまとめています。
軽く眺めるだけども楽しく、小学生から大人まで役に立つと思います。
部首のコラムがあるのもいいなと思いました。
この記事の「①部首で覚える」と照らし合わせると覚えやすいと思います。
よかったら見てみてください!