
漢文が得意な人〜?
漢文が苦手な人〜?
漢文は苦手と得意が大きく分かれます。
この記事で、返点のルールをマスターしましょう!
目次
返点のルールをサクッとおさらい
返点は、昔の日本人が、漢字の読み順を工夫して中国語の文章をなんとかして読めるようになろうと試行錯誤して編み出した記号です。
どんな漢文でも、この返点のルールに従えは全部読めるという非常に優れたルールです。

昔の日本人ってすごい!
その返点の役割を簡単に復習しましょう。
レ点…レ点がついている文字を一旦読まずにスルーし、その真下の漢字を読んだら、すぐにレ点がついている上の文字を読む。
一二点…二点がついている文字は一旦読まずにスルーして下方に向かって読んでいき、一点がついている文字に当たったらすぐに読み、その後立て続けに二点、三点、四点…と連続して読む。
上下点(上中下点)…下点や中点がついている文字は一旦読まずにスルーして下方に向かって読んでいき、上点がついている文字に当たったらすぐに読み、その後立て続けに中点、上点と連続して読む。中点はないこともある。上下点を使うときは一二点を挟んでジャンプするときだけ使える。一二点を挟まない場合は、上下点は使えない。
甲乙丙点…乙点や丙点・丁点がついている文字は一旦読まずにスルーして下方に向かって読んでいき、甲点がついている文字に当たったらすぐに読み、その後立て続けに乙点、丙点、丁点…と連続して読む。甲乙丙点を使うときは一二点または上下点を挟んでジャンプするときだけ使える。一二点か上下点を挟まない場合は、甲乙丙点は使えない。
一レ点、上レ点…一点とレ点が合体したものが一レ点、上点とレ点が合体したものが上レ点。レ点が優先する。一レ点点・上レ点がついている文字は、最初はレ点のルールに従って、一旦読まずにスルーし、その真下の漢字を読んだらすぐに一レ点・上レ点がついている上の文字をすぐに読む。次に一点・上点のルールに従い、一、二、三…または上、中、下点の順番に連続して読む。
大前提:返点がついた時だけ、上に向かってジャンプ!
漢文が苦手な人は、単純な大前提が抜けたまま漢文を読んで、よくわからないと悩んでいる場合があります。
当たり前のことでも、丁寧に説明しますね。
私たちは、漢文を読む時、上から下に向かって文章を読み進めます。
返点がついていない文字は、真っ先に読みます。最最優先で読みます。
しかし、文字に返点がついていた場合のみ、その文字から上に向かって読みます。
これを他のものに例えると、私たちは常に下りのエレベーターに乗りながら漢文を読み進みます。しかし、返点がついた時だけ、下から上に向かってジャンプします。
下から上に向かってジャンプするので、当然、文の下の方に「一点」や「上点」があり、文の上の方に「二点」や「下点」があります。上なのに「下点」があるのです。
これを図示すると、次のようになります。

ジャンプ(返読)のルール
下から上に返って読む(ジャンプ)するときは、合図があります。その合図が返点です。
ここからジャンプしてね!というスタート地点が「一点」・「上点」・「甲点」で、
ここに着地してね!というゴール地点が「二点・三点」、「中点・下点」、「乙点・丙点」などです。
レ点は一回下に降りてから真上にジャンプしてねという合図です。
従って、返点には、真っ先に読むものと、一回スルーして後で読むものという2種類があります。
これを図示すると次のようになります。

文に当てはめてみよう
①上から下へ文章を読む。
②返点がついていない漢字はすぐに読む。
③待ち組返点(青)がついている漢字は、一回スルーする。
④最優先組(赤)がついている漢字は、すぐに読む。
これを図示すると次のようになります。

漢文訓読のコツは、ルールを厳守すること。
漢文を読もうと思ったら、とにかくルール通りすること。
漢文の訓読には、ルールを外れることはありません。

とにかくルールに沿えば、必ずスラスラ読めるようになりますよ。
日本語を読む速さと同じ速さで漢文を読めるようになることを目指しましょう!