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スイスイ書けるようになる!小論文研究【後編】

前回の記事では、小論文を分解して学習することを明確にしました。

  • 小論文は、半分は国語で半分は専門分野
  • 文章は内容・構成・表現に分けて考えよう
  • 内容は、「現代社会のトレンドを学ぶ」・「過去問を集める」・「専門型出題かトレンド型出題かを分析する」・「受けようとしている試験の傾向に沿った分野を調べてまとめる」という対策をしよう

また、文章を3つの側面から見て、そのうちの「内容」について書きました。

まだ読んでいなければ、以下の記事を読むと、この記事の内容が分かりやすくなります。

この記事を読むメリット

「構成」で具体的に学習することがわかる
「表現」で具体的に学習することがわかる
「べからず集」を読めば、すぐに文章がシュッとする

目次

効果抜群!「構成」の学習方法

構成は文章学習の中で最も学習しやすい部分です。

学習するのは以下のことです。

  1. 段落構成
  2. 段落の分量
  3. 結論を置く場所
  4. 主張と根拠はセットで書く

①段落構成

目安を把握しておきましょう!

段落構成に正解はありません。読みやすければ段落数にこだわる必要はありません。

しかし、目安を知っておくと文章全体が読みやすくなり、言いたいことが読み手に伝わりやすくなります。

読みやすいのは3段〜4段落構成です。

目安とする段落数は文字数によって変わります。

400〜600字—3段落構成がおすすめ

800字〜1200字—4段落構成がおすすめ

それ以上—書く内容ごとに段落を分ける

テーマによっても、書きやすい型があるので、最初の頃はそれを参考に書いてみるといいでしょう。

①〜④は段落を指します。

【改善が必要なテーマ】例:ジェンダーギャップ

①現状の問題点 ②改善すべき具体例 ③問題が発生する原因 ④問題を解決するための対策

*①と②は合体させてもOK

【推進が望まれるテーマ】例:SDGs

①現状で進められていること ②推進によって起こる良い点 ③推進を妨げる課題 ④より推進していくための方法 

*①と②は合体させてもOK

【賛成か反対かを述べるテーマ】例:安楽死

①自分の立場(賛成か反対か)の表明 ②理由 ③自分と反対の意見を論破 ④自分の立場をもう一度詳しく表明

*①と②は合体させてもOK

【上の3つ以外のテーマ】例:大学ではどんな学びをすべきか

①主張(簡単に) ②理由 ③具体的事柄 ④主張(詳しく)

*①と②は合体させてもOK

②段落の分量

重要なことほど長く書く!

よく陥りがちなのは、自分の経験や感情は長くなり、試験をする側が読みたい「知識・思考・論理性」の部分が少ししか書かれていない状態です。

小論文では、自分語りは必要最小限でというのが鉄則!

段落ごとの分量(長さ)の目安は次の通りです。

短め:経験や具体例

中くらい:学習した知識

長め:知識を基にした自分の考え

③結論を置く場所

日本語は、大事なことは最後に書く言語だということを踏まえよう

結論を置く場所は、3種類あります。

(1)頭括式…結論を最初に書く

(2)尾括式…結論を最後に書く

(3)双括式…結論を最初と最後に書く

どれでもいいですが、尾括式か双括式が書きやすいと思います。

④主張と根拠はセットで書く

根拠がない文章は説得力が弱くなってしまいます

主張(自分の考え)を書いたら、その根拠も一緒に書きます。主張だけで根拠がなければ、説得力に乏しいからです。

(例)主張生徒の主体性を引き出すには、ICT機器の活用が有効である。理由対面では発言する勇気ができない生徒も、zoomのチャット機能で質問を書き込むことはハードルが低く、可能だからだ。

(例)レジ袋を有料化すると、理由新たな出費を嫌う消費者心理が働くので、主張プラスティックゴミの削減が可能になると考えられる。

個性があっても大丈夫!「表現」の学習方法

表現は文章学習の中で最も学習しにくい部分です。

漢字・語句・文法の学習をコツコツと積み上げていくしかないです。

小論文の文体(言い回し、言葉のチョイス)などには個性は必要ありません。

しかし、文学部の国文学科系は、文章力がかなり必要です。叙情的な表現や、反語、倒置、擬人法など、様々な表現ができるといいでしょう。

表現の学習は、実際に添削してもらうことが1番効率が良いです。

学校の先生に添削を頼み、自分の表現の癖をつかむようにしましょう。

すぐに使える!小論文が見違える「べからず」集

最後に、私が考える「小論文に使わない方が良い表現」をまとめます。

使わない方がいいという理由は( )内に書いてあります。

  • 「私は~」が多い(主観的、主張が弱い)
  • 「なぜ~だろうか。どうすれば~だろうか。」などの問題提起型表現(長くなる、問題文が既に問題提起をしている)
  • 「~を考えようと思う。~を考えてみよう、私は考えてみた」など宣言型・報告型表現(問題文が既に問題提起をしているので、書く必要がない)
  • 「~になってほしいと思う。~ほしいものだ、頑張ってほしい」などの他人事表現(自分の考えを論じるという主体性が必要な小論文で、他人事のような表現は相応しくない)
  • 「なので」(接続詞)などの口語表現(くだけた言い方)※「~なので」(助動詞)はOK。
  • 「~です・~ます」調表現(長くなる、主張がぼやける)
  • 「~思う」の多用(単調な表現になる)
  • 文末がいつも一緒の表現(単調な表現になる)
  • 常用漢字をひらがなで書いている(減点)
  • 問題文に書いてある語句をそのまま書く(長くなる)
  • 接続詞が正しくない(文法の間違い)
  • 内容が誤っていたり、偏見だったりする(減点)
  • 主語-述語が整合しない(文法の間違い)
  • 体験や感想ばかり長く、主張が短い(バランスが悪い)
  • 重複する表現「今の日本の現状は」(減点)
  • わかりきっていること、当然のことを書く(文章が長くなる、説得力がなくなる)
  • 段落がない(読みにくい)
  • 8割以上書いていない。欄外にはみ出して書く。(字数が足りなかったり、超過したりしたら減点か不合格)
  • 対策を並べ立てるだけ(根拠が書いていない)
  • 課題文と全く関係のない内容(減点か不合格)

まとめ

構成は勉強しやすい一方、表現は日頃の積み重ねです。

小論文を試しに書いてみると、最初は全く書けず、たくさんの訂正が入ると思います。

1〜2ヶ月くらい調べ学習と過去問を並行して勉強したら、書けるようになると思います。

凹まずに、地道に勉強していきましょう!