最近の大学受験では、推薦型や総合型だけでなく、国公立大学の個別試験でも小論文を課すことが増えてきました。
また、大学ではレポート、大人になってからは報告書など、文章力はあるに越したことはありません。
しかし、

文章書くのキライ
という人は多いと思います。
その理由は、「文章の書き方」をきちんと習ったことがないということが大きいと思います。
文章は、絵や彫刻のように個性が光るものであり、正解と言えるものがないので、数学や英語のように一斉に教えることができないのです。
この記事では、文章の中でも「小論文」にフォーカスし、どう学習していけばいいかを説明します。
・小論文と国語の関係がわかる
・小論文を分解して、学習することが明確になる
・小論文で書く内容が増え、書くことが思いつかなくて困るということがなくなる
目次
国語が苦手な人に朗報!小論文は半分だけ国語
国語が苦手な人にとって、小論文はもっと苦手かもしれません。
果たして、小論文は国語なのでしょうか?
答えは、半分YESで半分NOです。
国語の「書く」ことの分野は、小論文の学習と被りますので、国語と言えます。
でも、書く内容は、看護・法学・経済学・工学など、それぞれの専門分野なので、国語の先生は教えられません。
つまり、書くことの中身は各専門分野で、表現するための文章の書き方は国語で学習する分野です。
ということは、国語が苦手な人も、自分の専門分野についてたくさんの知識を持てば、それらしい文章が書けます!
次からは、小論文の学習方法を説明していきます。
小論文を分解して、学ぶべきことをはっきりさせよう!
文章は次の3つの側面から評価することができます。

「内容」・「構成」・「表現」です。
内容
小論文で書く話題のことです。
「主張」・「根拠」・「具体例」などに分けられます。
- 「主張」とは、書き手の意見
- 「根拠」とは、そう考える理由
- 「具体例」とは、書き手の意見を説明するための例
構成
書きたいことの「並べ方」です。
「主張」・「根拠」・「具体例」をどのような順番で、どのくらいの分量で並べるかを考えることです。
表現
日本語の使い方のことです。
- 文法的な間違い
- 漢字や言葉の間違い
- 言葉や言い回しの個性など
以上のように文章を分割すると、学習すべきことがはっきりします。

①書くことが思いつかない人は「内容」
②何を言いたいのかよく分からないと言われる人は「構成」
③漢字や言い回しで減点されることが多い人は「表現」
④全部当てはまる人は全部!
を学習しましょう!
小論文の中核!専門知識を増やすためにするべきこと3つ
試験で小論文が必要なら、以下のことをするのが基本です。
- 現代社会のトレンドを学ぶ
- 過去問を集めて、専門型出題かトレンド型出題かを分析する
- 受けようとしている試験の傾向に沿った分野を調べてまとめる
①小論文の基礎的知識を仕入れておこう
現代社会には色々な問題があり、その中でも特にニュースなどで取り上げられる話題を知っておく必要があります。
- 人口減少社会関係…少子化/女性の社会進出/ジェンダー平等
- 経済関係…格差社会/グローバル化
- 情報社会関係…メディアリテラシー/society5.0/ICT/IoT
- T環境関係…京都議定書/パリ協定/SDGs/防災

まとめる力をつけ、深く理解するために、小論文ノートを作って、毎日テーマごとに自分で調べていくことをおすすめします。
②志望校の小論文の傾向をつかもう
大学受験では、推薦型選抜、総合型選抜、個別試験で小論が出ることが多いでしょう。
過去問が公表されている場合は、書店に行けば買うことができます。
しかし、特に国公立大学の推薦型や総合型の問題は公表されていない場合も結構あります。
それらは、以下の方法で手に入るかもしれません。
- 学校の進路指導室に先輩達が受験した時の問題のコピーが保管してある
- 学校の先生が個人的に持っていたり、知り合いの先生から借りたりする
- 予備校のデータを学校の先生がプリントアウトする
- オープンキャンパスに生徒が参加したらもらえる
- 学校の先生が大学に申請したらもらえる
一度書店やインターネットで調べても過去問を見つけられなかったら、学校の先生に相談してみるとよいでしょう。
- 「専門型出題」…その受験先の専門的な内容が主に問われている
- 「トレンド型出題」…現代社会のトレンドが主に問われている
ということです。
この分析は、高校生には難しいので、学校の先生に相談するといいでしょう。
その際、次のことを頭に入れておきましょう。
- 過去問は多ければ多いほど良いが、最低3年分用意して、先生に持っていく。
- 1番専門が近そうな教科の先生に相談する。(例)理学部…数学の先生、工学部…物理の先生など
- 「学部学科の専門的な内容が出題されそうですか? それとも現代社会の基礎知識的な内容が出題されそうですか?」と聞いてみよう。ただ、出題傾向は毎年結構変わります。

先生に相談するときは、丸投げではなく、自分で出来る限り調べてからいくようにしましょうね!
③志望校の傾向に沿った対策をしよう
現代社会のトレンドを調べてまとめたら、今度は出題傾向に沿った対策です。
ただ、どんな学習をすればいいのかわからないと思いますので、これも学校の先生に相談しましょう。
次のように問題の分析をお願いした先生に聞くとよいでしょう。

「この出題傾向なら、専門的な内容はどんなことを学習しておくことが必要ですか?」
同じ看護系でも、アドミッションポリシーが
- 看護の専門性重視であれば、医療関係のトレンドを学習することが大切
- 人柄重視であれば、道徳的な出題が多いので、構成が大切
というように、対策が変わってきます。
おまけ:アドミッションポリシーは要チェック!
アドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)というものを各学校が発表しています。
小論文の練習に入る前に、アドミッションポリシーを必ず読んで分析しておきましょう!
大学側が「こんな生徒に入学してほしい!」とわざわざ発表している方針です。
研究しないのはもったいない!

アドミッションポリシーを研究し、「あなた色に染まります」くらいの気持ちで、小論文や志望理由書・自己PRに活用しましょう!
小論文学習法【前編】のまとめ

- 小論文は、半分は国語で半分は専門分野
- 文章を書く学習は、内容・構成・表現に分けて考えよう
- 内容は、「現代社会のトレンドを学ぶ」・「過去問を集める」・「専門型出題かトレンド型出題かを分析する」・「受けようとしている試験の傾向に沿った分野を調べてまとめる」という対策をしよう
- アドミッションポリシーを研究をしよう