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これで実践!ICT授業の6つの具体的手順

GIGAスクール構想により、否応なく教育が変化しようとしています。
時代の波ですね。

しかし、ICTは機材も人間もまだまだ準備が不十分です。

だから、次のような思いを持っている先生も多いと思います。

苦手だ〜

どう取り掛かればいいか、わからないし…

研修する時間とかないし!

しかし、ICT授業に苦手意識を持つのは、実践していないからかもしれません。
ICTに慣れるまでは、アナログ授業より余計準備に手間がかかるかもしれませんが、

慣れてしまえばサクッとできるようになると思います。

ここからは、私が実際に行っている授業の一例を紹介します。

この記事でわかること

・実際に、どのようなICT活用方法があるのか
・どのアプリを使うのか
・事前準備はどのような手順で、どうすればいいのか

目次

今回実践するICT活用方法

  • 教員がワークシートをプロジェクターでスクリーンに投影
  • 投影したワークシートにiPad上で教員が書き込む
  • 教員がGoogleクラスルームで資料を生徒に配布

使用アプリ

次のアプリをiPadにインストールしておきます。

  1. GoodNotes5
  2. Adobe Scan
  3. Googleクラスルーム
  4. Googleドライブ

これはよく使用するので、iPadのDock(下側のバー)に入れておくと便利です。
ちなみに、iPadのDockは、画面の下の方に指を当て、軽く上にクイっと引き上げると、アプリを使っている最中でも引き上げることができます。

今回の使用教材

「史記」より「鴻門の会」

次のものを用意します。

  • ワークシート:「鴻門の会」の本文、書き下し文、口語訳
  • 資料:横山光輝さんの漫画「史記」(鴻門の会が描かれた漫画)

今回は史記ですが、「源氏物語」でも「水の東西」でもこの授業はできます。用意するワークシート、資料を変えればいいだけです。

授業の目標

  • 授業に参加したい!と思わせる(興味喚起)
  • 自分の学習を振り返り、見通しを立て、粘り強く取り組む状況に追い込む(主体的な学びの実現)
  • グループ学習で問いについて考えさせる(対話的な学びの実現)
  • 教員による講義は極力せず、生徒達で「なるほど!」と感じさせる(深い学びの実現)
  • 1人が責任持って発表する状況を作り、発表の場数を踏ませる(表現力の育成)

事前準備〜授業実践

手順① ワークシートを作成する

教科書付属のCD-ROMの教科書本文のデータをWordにコピペして、いつも作っているようにパソコンでワークシートを作ります。

国語としてとても困ったことに、Googleドキュメントは、縦書きができません。

従って、Wordで縦書きの本文を準備してワークシートを作成します。

attention!

前に映し出すワークシートと生徒に配るワークシートは同じものにしましょう。生徒がどこに書き込めばいいのか分かりやすくするためです。

手順② ワークシートをGoodNotesに取り込む

・簡単ver

ワークシートを取り込む最も簡単な方法は、Adobe Scanで取り込む方法です。

Adobe Scanで、プリントアウトした紙のワークシートの写真を撮り、切り抜きやクリーンアップでプリントの形や色を整え、PDF化します。
そのコピーをGoodNotesに共有します。
これでワークシートがGood Notesに取り込まれました。

・より鮮明できれいに取り込むver

鮮明にきれいにクラウド上からPDFを取り込む方法です。
紙でプリントアウトする必要はありませんので、パソコンやiPad上で完結します。

パソコンのWordでワークシートを作成します。
Wordの「ファイル」>「エクスポート」から ワークシートをPDFにします。
その PDFを Googleドライブのマイドライブにアップロードします。

iPadのアプリからGoogleドライブを開きます。
マイドライブからGoodNotesに取り込みたいPDFを探し、右側の「・・・」をタップします。
「アプリで開く」をタップし、「Good Notesで開く」をタップします。
保存する場所を選び、「新規書類として読み込む」をタップします。
これでワークシートがGood Notesに取り込まれました。

iPadとパソコンの使い分け

この記事では、IPadを授業で活用し、手軽にICT授業を実行する方法をご紹介しています。
しかし、GoogleクラスルームやGoogleドライブを使うのは、実はパソコンの方が機能が充実していて使いやすいです。
従って、事前の下準備(ワークシートを作る、Googleクラスルームに課題を配信するなど)はパソコンでして、Googleを介してパソコンで準備したものをiPadで使用するのが良いと思います。

手順③ Googleクラスルームで配布する資料をPDF化する

漫画をGoogleクラスルームで生徒に配る準備をします。

配るためにPDF化する3つの方法を挙げておきます。

方法1:漫画本をコピー機でコピーし、印刷された紙をAdobe Scanで写真を撮り、PDF化する。

メリット:
最も簡単で手順が複雑でない。
授業中でもPDF化できる手軽さ。

デメリット:
画像が荒くて鮮明でない。
ページが多い場合、写真をたくさん撮る必要がある。
クリーンアップやトリミングなどの手間がかかる。

方法2:コピー機でPDF化してパソコンにデータを送る。

USBをコピー機に挿し、PDFをUSBに保存してもできます。

メリット:
画像がきれい。
連続で読み込みができて手間がかからない。

デメリット:
コピー機がないとできない。
コピー機とパソコンを繋ぐ設定が必要で、繋げなければUSBが必要。
手順が多いので手間がかかる。

読み込んだPDFは、パソコン上のデスクトップなどわかりやすい場所に保存する。

後でわからなくならないよう、その都度その都度PDFに名前からをつけてフォルダに整理して入れておく。

方法3:iPadで電子書籍を読み込み、スクリーンショットを撮り、それをAdobe ScanでPDF化する。

Kindle版の漫画を購入し、必要なページをスクショします。
その画像をAdobe Scanに読み込んでPDF化します。

メリット:
画像がきれいで鮮明。
カラーもきれいにでる。
スクショするだけなので、画像を取り込むことが楽。

デメリット:
Kindle版を購入しないといけないので、費用がかかる。
余分な部分のトリミングなどの手間がかかる。

手順④ PDFをGoogleドライブにアップする

上記の③-方法1・方法3でPDF化した場合

Adobe Scanで写真を呼び出し、トリミングしてチェックをタップします。
「共有」>コピーを共有>Googleドライブ(三角形のマーク)>アップロード

上記の③-方法2でPDF化した場合

パソコンに保存したPDFも同様に、「共有」>コピーを共有>Googleドライブ(三角形のマーク)>アップロードでアプロードする。

手順⑤ Googleクラスルームに資料を配布、紙のワークシートを印刷

以下の参考リンクを見て、Googleクラスルームにクラスを開き、生徒をそのクラスに招待(登録)します。

Googleクラスルームに入り、「授業」>「+作成」>「資料」の順にクリックします。

PDFに「鴻門の会の資料」などタイトルをつけます。
必要に応じて、説明欄に授業中の指示などを書きます。
1つの単元ごとに「トピック」を作るとクラウドで整理しやすい。

割り当てると、生徒のGoogleクラスルームに資料が配られます。

手順⑥ iPadを教室のプロジェクターと接続する

アプリで接続したり、アップルTVで接続したり、HDMIケーブルで接続したりと、学校のプロジェクターによって接続方法は様々です。

学校の情報担当の先生に接続方法を聞いてみて下さい。

もしDigital AVアダプタを使う場合もあると思います。
アダプタは学校にあると思いますが、私は個人で持っています。
私の学校では、まだ職員1人につき1つないので、授業前に借りにいく手間があり、不意に使いたい時に不便だからです。
また、家でiPadとテレビをHDMIケーブルで繋ぎ、Disney +を見るために使っています。

Apple純正は高いですが、純正でなくても使えます。
ただ、ライトニング(スマホの充電口)とタイプC(iPad Airの充電口)を間違えないようにしましょう。

接続したら、手元のiPadの画面がプロジェクターに映し出されます。
余計なものを生徒に見せないように、あらかじめGoodNotesなどのアプリを開いてから接続するといいかもしれません。

GoodNotesの使い方や、プライベートと授業の使い分けは次の記事を参考にして下さい。

以上で授業の準備は終了です。

やっと授業!

これから授業です。

印刷したワークシートを配り、授業開始です。
Googleクラスルームを開いたり、GoodNotesに書き込みしたりしながら授業を展開します。
感覚としては、次のように変換してみると使いこなしやすいです。

  • 黒板に板書する代わりに、GoodNotesで板書する。
  • 印刷した漫画の資料を見させる代わりに、Googleクラスルームの資料を見させる。

慣れるまで大変だと思いますが、慣れたら、「黒板とチョークとワークシートの授業よりちょっと手間がかかる」程度になると思います。

ICT授業は始まったばかりで、誰もが手探りです。
ゴールイメージもよくわかりません。

一緒に学んでスキルを磨いていきましょう!