『トップガンマーヴェリック』を見ました?
『トップガン1』を見ての感想は「まあまあ面白かった」というぐらいで、特にトム・クルーズのファンというわけでもないけれど、ハリウッドの大作なら面白いだろうという軽い気持ちで見ました。
感想は、

大満足!
でした。
2時間半もあり、途中で飽きるかなと思ったけれど、ずっと集中して見ていられました。
目次
迫力いっぱいの飛行シーン
『トップガン1』で思ったことは、マーヴェリックはすごいパイロットなのだろうけれど、広い大空を自由に飛んでいる飛行機のどんな動きがすごいのか、どんな操縦技術がすごいのか、よくわからない(^^;)ということ。
しかし、今回は、素人が見ても、

すごい!
とわかる演出。
ポップコーンやドリンクを入れるかごを握る手にぎゅーーーっと力が入るシーンが度々ありました。
すごさが分かる演出。
一流のエンターテイメントでした。
過ごした時間の分だけ厚みが増した人間ドラマ
『トップガンマーヴェリック』は、“本歌取り“のごとく、『トップガン1』をベースにしているので、描く世界がググっと広がっています。
えてして、若さは礼賛されます。
しかし、『トップガンマーヴェリック』は、若くはない教官の物語です。
出世街道から外れた斜陽のマーヴェリックが、優れた技術と勢いを持つ若者や権力と分別のある重鎮を経験と技術で圧倒して納得させ、壁を乗り越えていく様が小気味いい。
と同時に、
過去の後悔を抱きつつ、大切な仲間との避け難い別れを経験するマーヴェリック。
遠く離れて時を経ても、信じ合い、支え合う仲間とはなんとかけがいのないものか。
年を取る哀愁と同時に、年を取らないと得られない珠玉の価値を教えてくれたマーヴェリックの姿に、人生の切なさと奥深さを感じました。
『トップガン1』が若さと勢いの青春群像なら、
『トップガンマーヴェリック』は小気味の良さと哀愁が綯い交ぜになった人生劇に昇華していました。
エンタメにも表れている時代性
トムクルーズが乗るのは、日本が誇るKawasakiのバイクですが、型式は変化しているようです。
また、『トップガン1』で出てきたF14は、もはや過去の遺物。
今どきの若い飛行機乗りは操縦することもできません。
今回は、新しい第5世代の戦闘機が、圧倒的な存在として登場し、技術革新が描かれていました。
また、『トップガン1』にはスマホは出てきません。
しかし、『マーヴェリック』では、アイスマンとメールで連絡を取り合っています。
時代は変わったなあと思いました。
その中でも一番、

ああ、そうかもね〜
と思ったのが、
「パイロットが必要ない時代が来る」というシーン。
「それは今ではない」とマーヴェリックは言っていましたが、科学技術のさらなる発展により、生身の人間が搭乗する戦闘機ではなく、無人戦闘機が主流になる時代が必ず来るでしょう。
時代ですね。
また、今はウクライナがロシアと戦っている真っ最中。
これが戦争なんだ、
いや、戦争はこんなきれいなもんじゃないんだ、
と純粋なエンターテイメントとして割り切れない瞬間もありました。
軽いエンターテイメントで終わらず、時代の片鱗も盛り込まれていました。
成功者トムクルーズ
トップガンの興行成績はこちらのサイトによると、
すごいみたいです。
Movie walker press↓↓↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/f18c3d38e6fabf3862f24e6db370a40e4cd14773
新たな「ミッションインポッシブル」シリーズ最新作の公開も控え、ハリウッドにおけるトムクルーズの存在感は
これでもかというばかり。
この映画に出てくる戦闘機F14は、なんとトムの私物!
「1」以来、続編の制作権も買い取っていたとか。
失読症だと報じられ、苦しむこともあったでしょうが、ハリウッドの成功者としての自信や財力が、今もキュートな笑顔に現れているなあと思い、ついつい羨望の眼差しで見てしまいました。

トムクルーズすごいね〜
歳をとることは悪いことか?
見終わった後、清々しい感動に浸り、みんなどんな感想を持っているのだろうと、ネット上のレビューを見てみました。
そこで散見された言葉が
「客席にはおじさんおばさんが多かった」
「年齢層高めだった」
???
それが?

なぜわざわざ「観客の年齢層」の情報を書いたのかしら?
このレビュアーは、おじさんおばさんが多いという情報の言外に、どんなニュアンスを込めているのでしょうか?
「おじさんおばさん」は年齢と性別によって人を分ける言葉で、年齢判断は表現者の主観によってなされます。
同じ年齢で区分した言葉でも、「幼年・少年・青年・中年・壮年・老年」は発達の段階を客観的に表現した言葉でした。
しかし、悪意をもって「中年」という言葉が使われることが多く、それは「ネガティブな手垢」がついた言葉になってしまっています。
「おじさんおばさん」という言葉にも、同じような“悪意の手垢“がついていて、言外に棘を伴っていることがよくあります。
現に、映画の中でマーヴェリックは「年寄り」扱いされています。
歳をとることは悪いことなのでしょうか?
若ければ権利が大きいのでしょうか?
「おじさんおばさんが多かった」という表現をしたレビュアーは、言葉に否定的なニュアンスが乗る可能性を考えずに、何の気無しに書いたのかもしれません。
一度発せられた言葉は、発言者の意思を超えて、一人歩きします。
覆水盆に返らずということわざは、国境を超えて、表現を超えて、さまざまな国にあります。
それが物事の普遍的な真理だからでしょう。
言葉を発した人には、その言葉に責任を持とうとする思慮深さが必要なのです。
「おじさんおばさんが多かった」という表現ではなく、「見た感じ40〜50代の人が多かったが、『トップガン1』のファンが多いのかもしれない、さすが一世を風靡した作品の続編だと思った」
という比較的客観的でネガティブさを寄せ付けない表現ではダメだったのでしょうか?
同じ言葉でも、世界中の人を惹きつけ、感動させている『トップガンマーヴェリック』の台本も、「言葉」で書かれています。
子どもたちには、

言葉で埋め尽くされた世の中における言葉の怖さを自覚し、どうせ言葉を発するなら、人を癒し、感動させられる人に育ってほしいですね。
爽やかな感動の後で、ガッカリしたのが残念でしたが、言葉を大切にする態度の涵養が大切だと心に刻む紫子先生でした。
何はともあれ、

トップガンマーベリック、おススメです!!!