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「主体的で対話的な深い学び」を目指して

目次

格差社会〜搾取する側・搾取される側〜

携帯を中心に生活している生徒たちを見ていると、SNSで情報を得ているというよりは、TwitterやInstagramといった情報取得手段に時間と可能性を搾取されているような気がします。

SNSは、検索をしなくても「あなたへのおすすめ」がどんどん流れてきます。だから、検索ができない生徒がたくさんいます。授業でタブレットを使っても、キーワードで検索ができなかったり、検索結果で上がってきたどのサイトに自分が求める情報があるか推量できなかったり。

SNSは、彼らの発達の段階や生活の状況を無視し(知りようがありませんが)、彼らにとって魅力的な情報(魅力的と有用は違います)を垂れ流します。

彼らに、自分の状況を判断し、情報との正しい距離感を保つ力があるならいいのですが、デジタルネイティブな彼らに、自分の世界を俯瞰する力を身につけさせる方法を私たちは知りません。

搾取する側とされる側の格差はどんどん広がっているような気がしてなりません。

与えられたものの中で商業的に操られているのだとしても、それで幸せならいいという生徒がいるのは事実です。その生き方を否定しませんし、私の考えを強制もしません。でも、私は、自分で創造した価値観の中で、商業的に搾取されず、賢く自由に生きていきたい。

あなたは、どう思いますか?

映画「Most Likely To Succeed」が示す新しい学校像

米国のカリフォルニア州にある High Tech Highという高校を舞台にしたドキュメンタリー映画「Most Likely To Succeed」の序盤では、次のようなことが描かれていました。

AIがチェスの王者やクイズ王を負かし、データに基づいた完全な英文で報告書を作成することができるようになった。人間の役割をAIが果たせるようになった今、敢えて人間を雇い、延々と発生する人件費を払い続けてくれるほど、現代の資本主義社会は寛大ではない。では、「人間」のどのような能力がこれからの時代には必要とされるのか。

「Most Likely To Succeed」では、そんな世界を生き抜くための資質として、

創造性 

が主張されていました。

では、創造性とは何か。

横山(2010)は次のように創造性を定義しています。

「人間の創造性は、動物の学習による適応のような単なる経験に基づいた学習ではなく、環境によりよく適応するために意図的に行う行動で、新たな価値を創造しようとする意識や行動である。すなわち意図的に課題を設置したり、課題を解決するための新たな方法や成果物を得ようとする行為である。」

横山正博. (2010).
創造性における自己実現欲求と価値について-マズローの自己実現的創造性的検討.
星城大学研究紀要, 9, 84.
星城大学研究紀要

 

無から物を生み出すことは神でない限りできない。しかし、既存のものを組み合わせて新たな価値を創造する(create)ことはできます。

今の世の中は、まさに創造の時代です。大企業に就職し、言われたとおりの仕事だけして定年まで勤め上げることが美徳であった時代はもう終わりました。

新たなフェーズに突入した今、創造的な生徒を育てるには、どんな教育が必要なのでしょうか。

主体的で対話的な深い学び

新しい学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」を実現させ、生徒に「生きる力」を付けさせることを目標としています。「創造性」も「生きる力」の一つです。

「主体的・対話的で深い学び」を語弊を恐れずに大雑把に説明すると、

教え込まれた大学受験のための知識偏重学習ではなく、学習を自分事として捉え、粘り強く自分の学習を振り返り、他者との対話を通じて、問題解決のために「見方・考え方」を働かせる学習を経験させることを目指す教育です。

当然、知識が不必要なわけではなく、知識がなければ「対話的で深い学び」はできません。

しかし、「主体的」であれば、情報が氾濫している現代において、試行錯誤しながら自分で知識を検索して得ることができます。

また、体験や行動は忘れませんが、知識は忘れてしまいます。

エビングハウスの忘却曲線では、意味を見出せない受動的学習では1カ月後には約79%忘れているといいます。

100教えて79忘れて21しか残っていないなら、30自分で学んで22覚えている方が良いですよね。

「深い学び」を達成するには「自分で学ぶ」=「主体的」でなければなりません。

この「主体的」に生徒がなるように影で仕向けるのが、今からの教員の役割だと思います。

生徒を主体的にするには〜ICT教育の導入〜

ただ、日本の教育は、まだ大学入試のための知識偏重教育が主流で、特に優秀な生徒や教育熱心な保護者からは、知識偏重の従来型の授業を要望する声さえあります。

教育の分岐点である現在、大学受験に対応できる学力をつけながら、生徒主導の「主体的で対話的な深い学び」を実現できるのでしょうか。

私は、ICT(Information and Communication Technology/情報通信技術)を用いるのが効果的だと思います。

Googleクラスルーム・チャット・スライド・フォーム・ミートなど、使いようによっては無限の授業デザインができます。GoodNotes5は私の授業にはもう欠かせません。

ICTを手段として使用すると、生徒の食いつきもよくなります。

興味を持たせるきっかけ、調べる手段、表現する手段、いずれの場面でもICTは活躍します。今からの時代、ICT教育はどう考えても必須だと思います。

裏方・ファシリテーターとしての教員が目標

「主体的で対話的な深い学び」は、生徒を動かすわけですから、事前準備と声掛けが必須です。裏方・ファシリテーターとして授業をデザインすることが「主体的で対話的な深い学び」の成功の鍵だと思っています。

教員としての経験や勘をフル活用し、

  • 生徒理解
  • 生徒の行動を想定した授業の事前準備
  • 適切な声掛け
  • 振り返り

を通して、教員からの一方通行的な授業ではなく、生徒が勝手に動き出す授業を目指していこうと思っています。

今ここで、どんな実践をしたかは書けませんが、いつか実践報告をこのサイトでしたいと思います。