【敬語】苦手な人必見!正しい敬語に変換する簡単な方法

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敬語

きれいな言葉・丁寧な話し方をする人は、とても素敵に見えますよね。
さらに、正しい敬語をきちんと使える人は、知的で安心感があります。

しかし、古いデータですが、平成17年の文化庁の調査によると、約67%の大人が敬語に苦手意識を持っているようです。
その調査で「敬語の何が難しいと感じるか」を尋ねたところ、78.4%が「相手や場面に応じた敬語の使い方」を挙げていました。

古典文法の黄金期・平安時代は、身分制度の中で敬語が発達し、現代にはない敬語法も使われていたようです。
現代は、平安時代に比べたらだいぶ敬語が衰退しましたが、相手を思いやる美しい敬語はまだ残っています。

せっかくだから、きれいな敬語が使えた方がスマートですよね。

この記事では、正しい敬語を使えるようになる簡単な方法をご紹介します。

この記事を読むメリット

・敬語の使い方がわかる

・敬語の苦手意識がなくなり、きれいな敬語を使えるようになる

どの場面でどの敬語を使えばいいのか、たった2つの判断基準

敬語を理解する上で、次の大前提を理解しておく必要があります。

【大前提】

・敬語はほぼ動詞

・「召し上がる」は尊敬語・「いただく」は謙譲語など、多少は覚えておく必要がある。

敬語には、尊敬語謙譲語丁寧語の3種類があります。

動詞とは、動きや存在を表す語です。
(例:見る、話す、食べる、いる など)

敬語が正しく使えるとは「動詞をパッと尊敬語か謙譲語か丁寧語に変更することができる」ということです。

丁寧語は、「〜です、ます、ございます」をつけるだけで簡単なので、今回は触れません。

では、尊敬語と謙譲語にどう変えればればいいのでしょうか?

それには、次の2つの判断基準があります。

①へり下る側の動作には謙譲語を使う

②敬われる側の動作には尊敬語を使う

このように考えておけば、大体うまくいきます。
それぞれ、具体的に使い方を見ていきましょう。

謙譲語は「〜される人」を敬う言葉

謙譲語とは、行動する側を低め 、結果として行動をされる側に敬意を表す言葉です。

謙譲語が使われるのは、敬いたい人が動作を受ける(見られる、話されるなど)時です。

例えば次のような文があります。

私が社長に言った

この文の動詞は「言った」の部分です。

社長は「私」から「言う」という動作を受けています

従って、「言う」という動作を謙譲語の「申し上げる」に変えてやります。

私が社長に申し上げた

これで社長に対する敬意はバッチリです!

尊敬語は「〜する人」を敬う言葉

尊敬語とは、行動する側に敬意を表す言葉です。

尊敬語が使われるのは、敬いたい人が動作をする(見る、話すなど)ときです。

例えば次のような文があります。

社長が私に言った

この文の動詞は「言った」の部分です。

社長は「私」に「言う」という動作をしています

従って、「言う」という動作を尊敬語の「仰る」に変えてやります。

社長が私に仰った。

これで、今回も社長に対する敬意はバッチリです!

敬語への変身バリエーション

①動詞を丸ごと変化させる

下の表を見て下さい。

常体語とは、敬意が入っていない普通の動詞です。
動詞が敬語に変化するとき、丸ごと形を変えるものがあります。
これは、暗記をしておく必要があります

少ししかありませんので、これを機にぜひ暗記してみて下さい。

②型にはめる

丸ごと変化する動詞は数が限られています。
では、丸ごと変化する動詞以外は、どうやって敬語にを変えればいいのでしょうか?

どんな動詞も敬語に変化させるための「型」があります

その型を使い、普通の動詞を敬語にしてみましょう。

謙譲語にする型

(お・ご)〜いたします
 お・ご 〜する
(お・ご)〜させていただく ←使い方に注意!(適切な場面と不適切な場面があります)

「説明する」を謙譲語にしてみましょう。

「(お・ご)〜いたします」に当てはめる→ご説明いたします
「お・ご〜する」→ご説明する

※「(お・ご)〜させていただく」→× 「ご説明させていただく」は、不適切な使い方であることが多い。

次に、「待つ」を謙譲語にしてみましょう。

「お〜いたします」に当てはめる→ご待ちいたします
「お・ご〜する」に当てはめる→お待ちする     ※「〜」の部分には、「〜ます」の「〜」と同じ形を入れます

次に、尊敬語にする型です。

尊敬語にする型

(お・ご)〜なさる
(お・ご)〜になる

「読む」を尊敬語にしてみましょう。

「(お・ご)〜なさる」に当てはめる→お読みなさる

「(お・ご)〜になる」に当てはめる→お読みになる  ※「〜」の部分には、「〜ます」の「〜」と同じ形を入れます

③あとは使ってみる!

敬語は、英語と同じ。
使ってみないと身につきません。

多少間違えてもいいので、積極的に敬語を使っていきましょう、

難しい? 怪しい敬語・間違った敬語

「〜させていただきます」

(お・ご)……(さ)せていただく」といった敬語の形式は,基本的には,自分側が行うことを,ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い,イ)そのことで恩恵を 受けるという事実や気持ちのある場合に使われる。したがって,ア),イ)の条件をどの程度満たすかによって,「発表させていただく」など,「…(さ)せていただく」を 用いた表現には,適切な場合と,余り適切だとは言えない場合とがある

「敬語の指針」 平成19年2月2日 文化審議会答申
第3章 敬語の具体的な使い方 第2 敬語の適切な選び方 6 「させていただく」の使い方の問題

この言い方は、「相手の許可を受けて自分がしたことにより、自分が恩恵を受ける」ときに使うのが正しい使い方です。

従って、同じ「説明させていただく」でも、

・説明会など、相手に説明するのが当然の場所では「説明させていただく」は誤り。
・無理に相手に頼み込んで時間を作ってもらったときに「説明させていただく」は正しい。

という違いがあります。

「〜ますでしょうか?」

「〜ます」と「〜です」は丁寧語に属する敬語です。
「〜ますでしょうか?」という表現は、「〜ます」と「〜です」という2つの丁寧語を重ねて、疑問形にしているものです。しかし、古文では尊敬語と尊敬語を重ねる二重敬語という用法がありますが、
現代の日本語には、敬語を2つ重ねる「二重敬語」という用法はありません。

従って、「〜ますでしょうか?」は、丁寧な言い方のような気がしますが、敬語が重なる「二重敬語」になっていますので、正しい使い方ではありません。

敬語を楽しく学べるおすすめ漫画

敬語を勉強しようにも、本を読むのは難しくて読みたくたない!ですよね。

そんな時、わかりやすく簡単に教えているのが、日本語学校の参考書です。
外国人に敬語を教えるので、シンプルで簡単にしないとわかってもらえないからです。

「日本人の知らない日本語」は、日本語学校の教師・凪子先生と日本語を学ぶ外国人たちの日常をユーモアたっぷりに描いた楽しい漫画です。
大真面目に破天荒な解答をする外国人たちの言動に笑うと共に、文化の違いや、日本人が気づかない日本の姿を見せてくれます。
この本で、敬語がシステマチックに分かりやすく解説されています。
思わず笑ってしまう「ジャックさん」の逸話と共に、日本人も敬語の勉強ができる良書です。

ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?

おまけ:敬語は気持ちで十分

ここまで敬語について書いてきましたが、あまり神経質になる必要はないと私は思います。

ある新人研修会で、研修担当者が、思いっきり間違った敬語を教えているのを見ました。
テレビのアナウンサーが間違った敬語を使うのも目にします。

このように書いている私も、最近まで、「謙譲語にはⅠとⅡがある」ということを知りませんでした。
(文化庁の文化審議会が「敬語の指針」を出していますが、読むのも大変です。)

さらに、敬語自体が揺れているので、正しい敬語はこれだ!というのは、本来、誰も分かりません。

だから、本当は、敬語で1番大切なことは、「あなたとコミュニケーションを取りたいです」という「思い」です。
敬語を正しく言おう!ということに気を取られ、笑顔も共感もない会話は楽しくないですよね。